白い虎と蝶 ~絆~
「そっか。ちょっとごめんな。嫌だと思うけどすぐ終わるから、我慢してくれ」
そう言って男は私にゆっくり触れて、片手で抱っこをするように抱えた。
ビクッ。
暴れたくてもこの人の纏ってる雰囲気の方が怖かった。
抱えられてやっと顔が見えた。
「……………」
「思ってたよりも暴れなかったな。嫌じゃなかったか?」
嫌じゃないわけではないけどあの男達よりも嫌だとは思わなかった。
嫌だっていうよりちょっと安心する感じ?
怖いけど。
「ん? 俺は大丈夫なのか?」
「……ぇ?」
「………俺はお前が望まない限り何もしない。安心するならそうしてていい」
気づけば私は、男の胸元の服を無意識のうちに握っていた。
男は私をソファーに座らせようとした。
でも、私が服を離さなかったのを見て、何も言わずにそのまま座ってくれた。
「その格好はまずいから、今服を持ってこさせる。 おい、服を買ってこい」
「かしこまりました」