白い虎と蝶 ~絆~
かなめから石鹸の匂いがする。
その匂いが無性に私に安心感を与えてくれる。
私はかなめの腕の中で声を出して泣いた。
弱いところ……見せちゃ、ダメなのに。
見せちゃ……いけないのに。
涙が止まらない。
まだまだ、私は弱い。
もっと強くならなきゃ。
強くなって朱雀を潰さなきゃ。
たとえ、魁さんが望まないとしても、私が嫌なんだ。
だから、魁さん。
こんな我儘な私を許して?
私が泣いてる間かなめはずっと抱きしめて頭を撫でてくれた。
その間にひかると彗は教室の外に出たようだった。
泣き止んだ時にはその場にいなかった。
隣の教室にでも行ったのかな?
教室のドアの音がしたような気がしたし?
「大丈夫、大丈夫。お前は1人じゃない。な?」
「うん」
「俺は魁ってやつとは違う。ちゃんと帰ってきてやるから」
そう言うとかなめは回していた腕を解いて私の頭に手を乗っけた。
「まだなんかあるんだろーけど、話せる時話せ」
かなめが笑っていう。
気づいてるんだね。
かなめはほんと、私のこと何でも分かっちゃうの?