白い虎と蝶 ~絆~
そもそもこいつら喧嘩なんかやってなかった。
俺が喧嘩してるのを毎回毎回見ていただけだからな。
なのに今回は自分たちもそこで俺と一緒に喧嘩してたみたいに言ってきた。
まぁ今回のは間違ったことじゃないってわかってたから、そのまま黙っておいた。
こいつらが自分で入ってきたことだし?
俺には関係ない。
こいつらをかばう理由もない。
言わなきゃよかったのに、とは思ったけどな。
そんなことしたからって仲良くする必要も話す必要もない。
そう思っていた俺は耳だけを傾け外を見る。
敵が増えないように影でずっと殴ってたのバレバレだったしな。
ま、それのせいで一緒に怒られたのには変わりない。
ホント、黙ってればいいものを。
バレたのは俺だけだったし。
「お前らも馬鹿だな」
俺は先生の話が終わって教室から出た時にボソッと呟いた。
「かなめに言われたくないね♪」
「ほんとだな」
なんでだろうな。
話す必要はないと思うのにこいつらとは馬が合う気がした。
それからこいつらと話すようになった。
もちろん過去のことも少し経ってから話した。
あれだけ返事なんかしなかったやつと一緒に自分から怒られるようなことするやつらだ。
他の奴らより少しは信用できる。
こいつらは俺の女嫌いの理由も知ってる。