白い虎と蝶 ~絆~
だからこそ驚いてんだろーな。
まぁ、俺も驚いてるけど。
なんせ、こいつらとは同じ施設育ちだし。
それ知ったの、話すようになってからだけど。
「うるせーな!!お前ら知ってんだろ?俺だって驚いてんだ」
「無意識……?」
「だろーね」
こいつら、マジで1発殴る。
「体が勝手に動いたんだ」
つぶやくように言う。
俺の中では、女は媚を売るようなやつらばっかりだった。
香水はきつくて、化粧は濃くて、俺を飾りとしてしか見てない。
だけど、あいつは違う。
あいつは……まなは、ほかの女とは違った。
何が違うんだって聞かれてもわかんねぇ。
ただの、俺の直感だ。
家の前であいつと話してた時そう感じた。
媚を売ってくるわけでもない、あいつは俺のことを知ってるのに俺と普通に話してた。
むしろ、素っ気ない気がした。
警戒してるようで、隙だらけだったな。
あの時の笑顔とさっきの笑顔は少し違ったし。
朝は無理して笑ってる気がしたけど、さっきはスッキリした笑顔だった。
あいつ、笑うと可愛いんだな……。