白い虎と蝶 ~絆~
まなの笑顔を思い出して、頬が緩む。
「かなめが笑いかける女の子がいるとはね〜♪」
楽しげなひかる。
「ま、お前が笑いかけたりする女なんだ。大丈夫、なんだろ?」
彗が言いたいことは、わかる。
大切なものが出来てそれがいなくなった時に俺がどうなるかを知ってるから言ってるんだ。
わかってる。
「あぁ。あいつは……ほかとは違うんだ。なんでかは、わかんねぇーけど違う。守ってやりてーんだ」
「そっか」
「わりーな。ひかる、彗。心配かける」
こいつらは、時々俺の考えてることがお見通しのようだ。
この中で誰よりも顔に出にくいから全部は分からないだろうな。
「いいよ!かなめが心配かけるのは今日に始まったことじゃないし♪」
「それもそうだな」
「よーし!!一つ喧嘩でもしますか♪」
おいおい。
喧嘩する気満々かよ。
目がマジだぞ、こいつ。
俺は呆れてため息をつく。
「そーだな。青龍の奴らとも決着つけなくちゃいけない。それに近々またアイツとやるだろうからな」
彗が言う。