白い虎と蝶 ~絆~
「知りたいのはわかるけど、名前と住所だけが手がかりじゃないでしょ?ほかの方法で調べられる」
そーだ。
まだ他にも方法はあるんだ。
「わりぃ」
「じゃー、鹿島まなの闇の名前である『白蝶』からもっと詳しく調べるか……」
「あぁ。もしほんとにあいつが白蝶なら、俺は会ってるからわかる。あいつってことだろ?」
白蝶を調べると鹿島まなの誕生日と住所がでてくる。
俺はそれを知っててあの家に引っ越したんだ。
はじめから分かってたはずだ……鹿島まなが白蝶ならこの時期に転校してきた理由も。
あいつが過去の話を全部話してないことも。
情報が出てこないのも。
「白いフード付きのパーカーに白い手袋を付けて殴って潰し卑怯な手口は使わないっす。
返り血が白いパーカーについて赤く染まっても肌は白く、蝶に見えることから白蝶と呼ばれるようになったらしいっす。
性別は不明だが、名前が名前なだけに女だとなってるみたいっす」
彗がパソコンを打ちながら言う。
「あの強さで女はないだろって話。だから、女か男かわからない」
慧がいつになく真剣な表情でさらに続ける。
「やることが終われば蝶のようにすぐにその場を去ってしまうことも白蝶と呼ばれる理由の1つっす。
その白蝶が潰してるやつらの共通点は族、または組に入ってるやつっすね。
理由としては、他にもあるだろうけど族とか組が嫌いだからっすかね。
それで、白蝶は裏の名前、表で普段生活するのに本名だといろいろめんどう事がことが起こるから表の名は『鹿島まな』にしてるって感じっすか?」