白い虎と蝶 ~絆~
「でもさぁ~?俺たちに、過去の話したよね?一部分だけとはいえ、弱みを話しちゃって大丈夫だったの?」
「おれも、あれは全部じゃないと思う。それだけじゃないんじゃないか?
それよりももっと大きなものがある、とか。それに、あんなにわかりやすくて大丈夫なのか心配だ」
まなに会ってからというもの、ひかるはご機嫌だし、彗は情報が出てこないから知りたくてしょうがないといった感じだ。
慧は会ってないからどんなやつなのか気にしてるし。
俺は俺で……。
「かなめの直感は当たるもんね♪ それに、あれが分かるのはかなめだけだから!」
むすっとしながらいうひかる。
まるで、拗ねてるみたいだな。
「じゃーなんでこれから潰す予定の族の幹部に過去の話なんかするんすか?
これじゃ、たとえ小さいといえど弱み握って利用してくださいって言ってるみたいじゃないっすか」
慧の言ってることはおれも思ってる。
これから潰すやつらに過去の話をして、自分の弱いところを見せたんだ。
俺たちが白蝶の立場なら絶対やらない。
弱みを握らせることなんてするわけが無い。
「あいつを監視するぞ。あいつの行動にはいろいろと少なからずちゃんと意味があると、俺は思う。
だから、あいつがなんで俺たちに過去の話をしたのか、それにも意味があるんだ。きっとな」