白い虎と蝶 ~絆~
本人に聞くにはまだ無理だ。
話してくれるわけがない。
会ってまだ1日だ。
会って1日のやつに、自分の過去なんか全部話せるわけがない。
だから、少し時間をもってあいつと接するんだ。
そしたら必ず話してくれる時が来る。
その時あいつに全部聞くんだ。
それまで俺は待つ。
あいつから話してくれるまで。
あいつはきっと……。
「明日、まなに会うか」
「まぁ、知ってるもなにも……家となりだもんね」
俺はニカッと笑う。
「あぁー!抜け駆けだよ、それ!ダメダメ」
どうやら俺がニカッと笑ったのが気に触ったらしい。
苦笑いを浮かべる彗。
慧はいつの間に始めたのかテレビゲームをやっていた。
いつ移動したんだ、お前。
「そんなに美人なんすか?」
ゲームやりながらひかるに聞いている。
「美人だよ♪ でもあれは美人っていうよりもき「きれい、だな」」
「「「…………」」」
部屋が静まり返った。
音があるとすればテレビから「GAME OVER」を知らせる音楽がなっている。