白い虎と蝶 ~絆~
私は人混みの中に入って人を次々と避けて道を歩いていく。
無駄な体力を使った……。
ついてきてくれてるよ……全く。
何が目的なんだろ……。
ストーカーにしては、凄腕っていうか……しつこいって言うか。
あれでまけないってことは………もしかして…………。
私は前にも同じことが起こったことを思い出す。
その時の犯人は………。
角を曲がってすこし行ったところで止まる。
「あれ?鬼ごっこはもう終わり?俺もっと、やりたかったな〜♪」
この声には聞き覚えがあった。
振り返るとそこには青龍の幹部の遥斗がいた。
やっぱり。
「まなさん」
私は無言で遥斗を睨む。
遥斗……。
青龍の幹部が私を探し出して、ストーカーしてまでの用事ってなに?
一応持ってる白いパーカーと手袋……だけど今着たらダメなのはわかる。
隠して"もらってる"のに目の前で着たら、ね?
何をするのかわからないから睨みながらコレを……遥斗をどうしようか考える。
「そんな警戒しないでよ♪ 今日はこれ、渡しに来ただけなんだからさ!」