白い虎と蝶 ~絆~


そう言ってポケットから白い紙を取り出して、顔の横でヒラヒラと揺らす。



手紙……?



一体誰から?



「青龍の総長、山南 秀登(さんなん しゅうと)からだよ。ラブレターかもね♪」



いいなー俺ももらいたいなーラブレター、と羨ましそうに言う遥斗。



手紙を自分の足元におく。



「もし君が白蝶じゃないなら白蝶にどうにかして届けてね♪ あと白蝶に伝えてよ。 俺は………」



っ!



言いたいことを言い終わった遥斗はじゃあねとウィンクをした後に立ち去っていく。



白蝶じゃないならって……。



私が白蝶だって確信してるんでしょうが。



私は遥斗が見えなくなってからその手紙の元へ行って手紙を拾う。



もちろん手袋をつけて指紋をつけないようにしてから、ね。



ラブレターとか、そんなわけがない。



何回か青龍とは喧嘩をしたことがあるから知ってる。



まぁ、内容はおおよその予想がつくんだけどね。



さて……。



手紙を手に取り名前が書いてあるのか見てみるけど書いてない。



差出人の名前はさっき遥斗が言ってた人で間違いないだろう。

< 89 / 238 >

この作品をシェア

pagetop