白い虎と蝶 ~絆~
ろくでもないこと言われるのはわかりきってる。
「青龍の姫になれ」
「……………」
ほら。
私は黙ったまま少し首を横に振る。
考えてることが伝わらないって当たり前のことだけど私の考えてることがわかってしまう人達のなかで生活していたからなのかな?
考えてることがバレることに慣れてしまい今のこの状況がとてもやりにくく感じた。
魁さんや隆さん、かなめだったら拒否してるのがわかるのに……。
なんて呑気なことを考えてた。
「もちろん、表向きだけでいい」
こいつら元は正統派だったのに、いまでは卑怯な手口を使うような奴らだ。
そんな奴らの仲間になんかならない。
昔は、潰すことはないと思ってたのにな。
でもこいつらは私が最も嫌いとすることをやってる。
そんなやつらの仲間になんか誰がなるものか。
表向きだけ。
裏だけでいい。
誰にも言わなければいい。
隠せばいい。
それでもこいつらの仲間だって時点で嫌だ。
私の表情が変わらないのを見ていて、拒否していることがわかったようだ。
「あー最近、白虎と仲がいいらしいなぁ?」
「っ!」
「俺からの命令だ。今日から青龍に入れ」