白い虎と蝶 ~絆~
そう言って微笑む。
嫌な笑みだ。
こいつの顔を2度も見ることになるとは最悪だ。
「あー、そうそう。もう少しでお前の顔も公開されることだし」
まだ近づこうとする朱雀。
少しずつだけど朱雀が距離を詰めてる。
「ふっ」
何がおかしい。
………っ!
「今、気づいたのか?しばらく俺に追いかけられてないから鈍ってんじゃないのか?」
ビリッ。
そう言われた瞬間、全身に微弱な電気が走った。
「女の子にこんなことしたくないんだけどさぁ♪ ごめんねぇ?痛かったぁ?」
後ろにいたのは遥斗だった。
微弱だけど、身体のいう事を効かなくするのには充分だった。
「顔写真ももうすぐ公開されるだ。そのフード、もういらねーな?」
秀登は私のフードに手をかけて勢いよくフードを取る。
抵抗する暇もなかった。
性別不明で顔もわからなかったのが、フードが外れたことで明らかになった。
青龍のみんなが初めて見る私の顔に驚いている。
秀登たちは1度あってるけど気づくとは思えない。