目の覚めるような赤だった
序
迅、あなたのいない世界は色が無い。
真っ暗で前も見えなくて、私には歩ける場所じゃないと思ってた。
私の脚は動かし方がわからなくなってしまった。
だけど、違うよね。
もう泣きごとは言わないから。
私は進む。
途中で歩みを止めざるを得なかったあなたの分も歩く。
この広くて驚くほど美しい世界の隅々まで、
たくさんたくさん歩きまわってみるから。
だから、いつか会える日まで。
またね。
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