幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
11月半ばになって、
街が少しずづクリスマスに色づきはじめている。


「もうすぐクリスマスだね。
来年は3年生だし、受験があるからクリスマスはあんまりお祭り気分になれないね。

だから今年は楽しもうね!」


そう言って、あくびをしている玲音を見上げて呟く。


「なんだか最近、いつも眠そうにしてるね?」


「そうでもないよ」


そういいながら、
玲音はまたひとつあくびをしている。


私より早く寝てるはずなのに、どうしてだろう?


そんなことを考えながら、ハッとする。



「いけない! 数学の宿題やってくるの忘れたっ! 
数学の大和先生、ネチネチ怒るんだよー。

参った……」


がっくりとうなだれると、
玲音が満面の笑みで顔を近づけてきた。


「学校着いたら俺が教えてあげるよ」


「数学の宿題だよ? 玲音、数学苦手じゃなかったっけ?」


うーん、

私以上に悲惨な点数を取っていた記憶しかないけど…



「最近、少し分かるようになってきたんだ。
宿題くらいだったら教えてあげられるよ?」


「本当に?」


半信半疑で玲音を見つめると、


「任せておいて」


と、玲音が余裕の笑顔で応えた。



むむ…

大丈夫かな…?


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