幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
箱を差し出したりりちゃんに、絵の具で汚れた手のひらを見せる。

「玲音、美術だったの?」

「うん、絵の具、いくら洗っても落ちなくてさ。だから……」

あーんと口を開けて、
りりちゃんのチョコを待つ。


「そっか! じゃ、はいっ、どうぞ!」


りりちゃんに食べさせてもらうと、甘いチョコレートの味が口中に広がる。


「ん、うまい!」


「でも、チョコ、本当は苦手でしょ?」


「そんなことないよ。りりちゃんのくれるものは、どんなものでも嬉しい」

そう言って、りりちゃんに笑いかける。

するとサッカー部の沢田にゴンっと頭を叩かれた。


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