幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
ネット越しに話しかけてきたのは噂の高松先輩だった。


「自主練に行くみたいです」


「へえ、いま、体育館、使えないんだっけ? 」



「そうみたいです」



「ふーん…君って1年? 」


「はい! 」


「サッカー部の見学? だれか見に来たの?」


「はい、きさ…」



玲音の名前を出しかけて、慌ててその名前を飲み込んだ。


"練習、見に来るな"って言われてるのに、

こんなところで玲音の名前を出したら、
きっとまた怒られる。



「学校、慣れた? 」


「はいっ! 」


「ふーん、俺、サッカー部の高松、よろしく! 」



そう言って高松先輩は眩しいほどの爽やかな笑顔を見せて
練習に戻っていった。


たしかに、あの爽やかさ、モテそう…


それより玲音はどこにいるんだろ?


目をこらしてグラウンドを探すと、
小さな体でグラウンドを必死に走っている玲音を見つけた。


ボールを蹴るたびに
玲音の薄い茶色の髪がサラサラと揺れている。


うん、やっぱり玲音は可愛いっ!


フェンスの向こう側で一心にボールを追いかけている玲音に

スマホのカメラを向けた。



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