幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
それから数週間が過ぎて…

みんなは今日から修学旅行。


私と玲音だけ平日に4日間も休みだなんて、

なんだかちょっと、変な感じ。



でも不思議と寂しくもなければ、
残念でもなかった。


だって、玲音と一緒だしっ!


それよりも、急がなきゃ!


パッと飛び起きて、キッチンへと向かった。


昨日の夜に仕込んでおいたおかずに火を通したり、
卵を茹でたり、お肉を巻いたりしているうちに

あっという間に時間が過ぎた。


キッチンのうえにずらりと並んだ
色鮮やかなおかずの数々を見て、大満足!



「よし、できた!」



時計を見るとまだ8時半。

2人分のお弁当をカバンに詰め込むと、

ぱっと着替えて

玲音の家のインターホンを鳴らした。



玲音、びっくりするだろうな~!


驚いた玲音の顔を想像すると、ちょっとワクワクする。


案の定、ドアを開けて私の顔を見ると、
玲音が目をまん丸くした。


やったっ! 期待通りの反応っ!


「りりちゃん? 修学旅行は?
今日からだよね?  どうしたの? 」


「えーっと、熱? 熱が出ちゃったの。
だから行けなかった」


「…ものすごく元気そうだけど」


玲音が訝しげな視線で私を見つめる。


「うーん…、昨日の夜は、"もうダメだ〜"ってくらいに熱があったんだけど、一晩寝たらこのとおり! 」


「それって……俺のせい? 」


「違うよ。前日の夜に熱だしたら参加できない決まりだもん。仕方ないよ」


「あんなに楽しみにしてたのに?
そんなに元気なのに? 」



楽しみにしていたのは、
修学旅行じゃなくて今日の遊園地っ!


とはさすがに言えない。



「だって、昨日は体調悪かったんだもん。
体調悪かったら参加できないもん」


「俺、りりちゃんが熱出したところなんて、見たことない」


「私だって人並みに熱くらいだしますよーだっ」



「……うそだ。りりちゃん、俺がひとりになると思って」



「中学生の男子をそんなに心配しないよ!

それよりさ、早く遊園地、行こうっ! 」



「え? 」
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