幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
「遊園地? 」
玲音がきょとんとしている。
「お母さんからチケットもらったの!
ふたりで修学旅行の代わりに思い出作りしよっ!
お弁当も作ったんだよっ♫ 」
「お弁当⁈ 」
玲音はスウェットを着てボサボサ頭のまま、
まだボーッとしている。
「じゃ、用意して30分後に集合ね! 」
言いたいことを伝えると、すぐに部屋に戻って出かける準備をした。
30分後に部屋のドアを開けると、着替えた玲音がうちのドアの前に立っていた。
サラサラの髪をなびかせて壁に寄りかかって立っている玲音が、
いつもより大人っぽく見える。
んん?
さっきまであんなにボサボサ頭だったのに?
「玲音、また背がのびた?」
ちらりと玲音を見上げる。
「この前、170センチ超えたよ。りりちゃんは
えっと、少し、…小さくなった?」
「小さくなんて、なりません! 」
ふんっ‼
思いっきり玲音から顔を背ける。
中学に入った途端に身長が止まってしまったこと
すごく気にしてるのに!
毎日、同じものを食べてるのに、どうして玲音だけ背が伸びてるの⁈
「ほら、りり花、行くよ! 」
ニコニコとご機嫌な笑顔を浮かべる玲音に手を引かれて、駅まで歩いた。