chocolate mint
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「お疲れー」
暫く経って『Felitita』の閉店時間を過ぎた頃、和希さんが新店舗の方に現れた。
「お疲れ様です。……もう締めの作業終わったんですか?」
「ああ」
……何だよ、忙しいなんてやっぱり嘘じゃないか。
『Felitita』の人手が足りないからと呼び出されたはずなのに、一時間もしないうちに新店舗の方に行かされた。
顔に出さないように気をつけてはいたけれど、内心は不満でいっぱいだった。
そんな僕の気持ちなんて全く無視して、さっきから青木さんと有紗さんが目の前でコースのメインを何にするか延々と話し合っていた。
「裕介、ほら、忘れ物だ」
二人に向けている視線を遮るように、和希さんがカウンターの上に僕のスマホをポンと置いた。
「ありがとうございます…………あれ?事務所のデスクに置きっぱなしにしてましたか?」
『Felitita』に着いてすぐ、着替える間も無いくらいに急かされてフロアに入ったから……うっかり置いたまま忘れてしまったのかな?
でも鞄から取り出した記憶も無いけど……