chocolate mint

単純な僕はそれだけで自信がついて、なんとかチームを纏めて無事にキャプテンを務めあげる事になる。


終わってみれば、インターハイにも出られたし、何だかんだで充実した三年間だった。


あれから崎山先輩とは話す機会も無くって、先輩が家に遊びに来た時なんかも、僕も出掛けていなかったりして……結局あの時のお礼は言えないままだった。


そんな高校三年生の秋。紫ちゃんから衝撃的な話を聞いた。


「付き合ってたって?……純くんと崎山先輩が?」


「そうなんだよね。香織ったら、何にも言わないんだもん。付き合ってたって聞いたのだって別れてからだよ。しかもさー、高校の時からずっと好きだったって言うんだよ?私、何にも知らなかった」


何の話がきっかけだったかはもう忘れたけど、純くんと崎山先輩が付き合ってたって事を偶然聞いた僕は、そのまま口の軽い紫ちゃんから色々と聞き出した。


二人が同じ教育大に進学した事は知ってたけど、崎山先輩の方から告白して付き合ってたなんて……。


「香織はさ、酔った勢いでした冗談みたいな告白だったんだけど、って笑って言ってたんだけどね。……目がね、今にも泣きそうな目をしてた。『もうそんな男(ヤツ)やめて、次、次!』って言うしかなかったわ」
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