chocolate mint
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ーー『現在お掛けになった電話は電波の……』
「(チッ)……何で出ないんだよ!」
何度目かの無機質なアナウンスを耳にして、(本人の前じゃ絶対に口にできない)乱暴な言葉を、舌打ちと共に思わず吐き出してしまっていた。
新店舗を出てすぐに紫ちゃんに電話を掛けたけど繋がらず、
『何があったの?』
『香織ちゃんは大丈夫なの?』
送信したLINEには既読は付かず、電話を掛けてもやっぱり繋がらない。
2、3回そんなやり取りを繰り返して、これ以上は時間の無駄だと判断して、とりあえず家に向かって車を走らせた。
『Felitita』ならもっと早く駆けつける事ができたのに!と家までの距離にもイライラしながら運転すること20分。
マンションに着いてすぐ、自分の判断は間違いだったのかもしれないと気がついた。
「…………あれっ?」
香織ちゃんの車が、駐車場に停まっていなかったのだ。