chocolate mint
はっと思い当たった瞬間、香織ちゃんが倒れて病院に運び込まれるイメージが頭の中に広がった。


だって……香織ちゃんは昨日一日何も食べていない。



もしあのまま、朝も何も食べずに学校に行ったのなら……



今頃倒れていたっておかしくない。



いや、まてよ。倒れたなら……



病院にいるならまだ……



車が無いって事は、まさか帰る途中で事故を起こしてたりとか……してないよな?!



自分で勝手に考え始めたのに、まるで本当に起こっているみたいに頭の中でどんどん悪い想像は膨らんでいく。



それにつれて、階段を上る足取りもだんだんと急ぎ足から駆け足へと変わっていった。



玄関ドアの前にたどり着く頃には、走って息が上がったのと、不安と心配で心臓はバクバクという音が全身に響くくらいに鳴っていて、胃の奥はギュッと締め付けられるような痛みを感じていた。


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