chocolate mint
「はぁ、はぁ、はぁ……」


玄関の電気は点いていた。


だけど自動的に点くやつだから、帰って来ているかどうかは外からじゃ分からない。



「はぁ、はぁ……んっ?」



鍵を取りだそうと鞄に手を入れたけど、いつも鍵を入れているポケットに鍵の感触が無かった。



「あれ?おかしいな……あっ!」



ひょっとして『Felitita』で鞄をひっくり返した時に入れ忘れたのか??



「ーーあぁ、もう!」



これで誰も出なかったら『Felitita』に行って……いや、『Felitita』に寄る時間も勿体ない。第一、紫ちゃんに連絡を取らないと、どこにもいけない。



頼むからここにいて!!



『ピンポーン』『ピンポーン』『ピンポーン』



焦りのあまりに指に力が入り、気がついたら何度もチャイムを鳴らしてしまっていた。



< 134 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop