chocolate mint
玄関からリビングへとダッシュして、香織ちゃんの元へと駆け寄った。


「香織ちゃん!!」


「ねぇ、大丈夫?!熱は?具合は?!……どうして起きてるの?寝てなくちゃダメでしょ!」



少しだけ青白く見える顔色と、いつもならすぐに笑顔を見せてくれるはずなのに、何も反応が無いまま固まっているのがかえって心配で、気がついたら香織ちゃんの肩を掴んで必死に話しかけてしまっていた。



だから……



香織ちゃんしか目に入らなかったから、僕は、ドアを開けてくれたその人の存在をすっかり忘れてしまっていたんだ。


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