chocolate mint
唇を噛み締めながらポタポタと涙を溢す香織ちゃんを、僕はただ黙って見つめていた。



たぶん……今僕は、とても困った顔をしているんじゃないかと思う。




…………だって本当に困ってるんだ。




ついさっきまで、肝心な所だけ話が伝わっていなかったって事に僕はショックを受けていた。




だけど今、目の前の彼女は僕だけを見つめて、僕だけの事を一生懸命に考えてくれている。



僕が何を言ったのか分からなくてごめんって……自分の事ばっかりでごめんって、泣きながら謝ってくれている。




そんな香織ちゃんの事が、どうしようもないくらいに可愛くて、可愛くて……




困ってしまうくらい、大好きだなって思ってしまったから。


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