chocolate mint
本来なら、僕はこんな面倒くさい人なんて放っておきたいし、関わりたくないし、何なら自業自得なんじゃないの?なんて思っちゃうほうなんだけど……



悲しいかな、やっぱり香織ちゃんの事が好きで好きで仕方ないから、そんな所も面倒くさいどころか、可愛くて可愛くて堪らないって思っちゃうんだよ。



ほんと、僕は香織ちゃんには……敵わない。



***


唇を離したら、香織ちゃんは僕の胸元にすがり付きながら蕩けた目でじっと僕の目を見つめ返してきた。



その目があまりにも可愛くて、その場に押し倒したくなる気持ちをなんとか堪えて和希さんとの会話を聞き出してみる。



どんなに面倒でも一から誤解を解くつもりで構え直した僕が知ったのは……香織ちゃんが会話したのは和希さんじゃなくて、有紗さんだった、という事実だった。



ほんと、あの女(ひと)は色んなところを引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、迷惑をかけて……



もし、明日態度を改めて謝って来たとしても、絶対に許さない。



そう固く心に誓ってから、また香織ちゃんと向き合った。

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