chocolate mint
聞き返す時にちょこん、と首を振るのは癖なんだろうか?あどけない表情が可愛らしい。
何だかそのままさっさと話すのが勿体無くなって「飲みながら話しましょうか」と、思わずワインを開けてしまっていた。
紫ちゃんが奈緒子ちゃんの入院を知って純くんに事情を聞こうと連絡した事。純くんの方は先輩から紫ちゃんが話を聞いたから連絡したと思っていた事をかいつまんで説明する。
「……だから僕は詳しい事は分からないけど、みんな興味本位で崎山さんの話をしてた訳じゃ無いって事。このタイミングで連絡したら、崎山さんは絶対に気にするよな、どうしようかなって紫ちゃん、ずいぶん悩んでたから」
「でも飲みはじめちゃったら、もういつもの紫ちゃんのペースでしょ?最初にそう悩んでた事なんかすっかり忘れちゃってるだろうから、僕が話したのはフォロ―のつもり。紫ちゃんは奈緒子ちゃんとも仲良しだから、思うところもあるかもしれないけど、どうかこれからも紫ちゃんの友達でいて下さい」
たぶんこれが紫ちゃんの一番の願いだろうから。
紫ちゃんの代わりに僕は先輩に頭を下げた。