chocolate mint
何だか止まらなくなってしまった。
……あー、やり過ぎた。色んな意味で。ヤリ過ぎた。
「……んー」
そんな僕を咎めるように、少しだけ眉根を寄せた顔で彼女がころん、と僕の方に寝返りをうつ。
その首筋に、胸元に点々と紅い痕が付いているのを見て苦笑した。
たぶん、彼女が目覚めてこれを目にしたら、『もう……見えちゃう所には付けないでって言ったのに!』なんて、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに言うんだろうな。
分かってないな、香織ちゃんは。
見えない所に付けたって意味がないんだよ。
24時間監視して閉じ込めておく訳にもいかないから、せめてその心の中だけでも僕が独占できるように、
僕をずっと意識してもらう為に痕を残すんだから。
ま、勿論他の男(ヤツ)への牽制の意味も込めてるけどね。
純くんから聞いた話だと、香織ちゃんを狙っている教師(ヤツ)もいるみたいだから。
温もりを求めるように僕のほうへすり寄ってきた彼女を、起こさないようにそっと抱き締める。
今日は月曜日だけど、祝日だから香織ちゃんはお休みだし、僕も少しだけ普段より遅めに出勤できる。
……実は最初っからこうするつもりで昨日デートに誘ったって知ったら、呆れられちゃうかな。