chocolate mint
「ほんとあんたって、顔だけは爽やかなくせにヘタレよね。香織が堕ちてくるのを待つだけって……どんだけヘタレなのよ」
何と言われようと、僕は奏一くんの結婚式が終わるまでは、香織ちゃんに想いを告げる気は無い。
こんな……男としても意識してもらえない今の状況じゃ、何をしてもダメになるに決まってる。
友達としてのポジションだって、僕は紫ちゃんには敵わない。
ただ側にいるだけの僕は、彼女にとって空気のような存在なんだから。
……だけど、この選択が後々まで僕を苦しめる事になるなんて、その時の僕は考えてもいなかった。