chocolate mint

何か、香織ちゃんは僕の事をずいぶんと優しくっていい人だって思ってくれているみたいだから。


……まぁ、お人好しな所は否定しないけど、誰にでも優しくしている訳じゃない。


特に、
①優しくしてもらうのが当然、っていう態度の女
②ちょっとキレイだからって変に自分に自信を持っている女
③気の強い女
は、かなり苦手な部類に入る。


ちなみに①②③全ての要素を持っている女(ヒト)が僕の一つ歳上の姉、紫ちゃんだ。


『紫ちゃん』なんて呼んでるから周りにはシスコンに思われているけど、とんでもない。


他の呼び方をしたら、間違いなくハイかロー、どちらかの蹴りをくらうから仕方なくそう呼んでるだけだ。


ちなみに自分の事を『僕』と言うのも、のんびりとした性格に見せるようになったのも、短気な紫ちゃんに余計な事を言わないように物事をよく考えてから口に出すように努力した上での結果だと、僕は思っている。



本当の僕は紫ちゃんほどじゃないけど結構短気だし、奏一くんほどじゃないけど、黒くて計算高い部分も持ち合わせている。



生まれた瞬間から紫ちゃんの下僕(手下とも言う)として生きてきた僕にとって『気の強そうな美人』は一番苦手な存在で、紫ちゃんが高校に入ってから仲良くなった崎山先輩も、類は友を呼ぶって言葉通りに……綺麗な人だけど、めちゃくちゃ気が強そうに見えた。



きっと僕が仲良くなれる要素は一つも無いんだろうって、そう思ってたんだ。
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