chocolate mint

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「いい天気ですねー。あー、仕事してるのが勿体ない」

「瀬尾は早番で上がれるからまだいいだろ。僕は遅番だから、丸一日潰れるんだけど」


七月七日。奏一くんと志帆さんの結婚式当日。空は雲一つ無いくらいに晴れ渡っていた。


「まだ、『Happiness(ハピネス)』で働いてたほうが良かったかもしれないですね」


『Happiness』とは、奏一くん達が式を挙げる郊外の結婚式場の名前だ。身内だけの挙式の後は、親しい友人達を招いてガーデンパーティーをするのだと奏一くんから聞いていた。


確かに、どうせ働くなら今日は外で働いたほうが気持ちが良さそうだ。


瀬尾は外を眺めながら、ふわぁと欠伸をした。


「こら。お客様の前では止めなよ」


一応注意したのに、ふわぃ、と欠伸と混ざったような返事が返ってくる。


『Felitita』に勤めて7年。僕はウェイターとしてホールに出ながら、マネージャーを任されるようになっていた。


マネージャーは僕を入れて3人。一番新人の僕は、まだまだみんなを纏めるのに実力が足りないらしい。


チーフマネージャーの有紗さんには、いつもサポートという名の監視をされていて、それも精神的に疲れている要因の一つだった。


14時を回ってランチタイムも終わり、店内が空きはじめる。


普通ならここでほっと一息つくのだろうけど、僕にはここからが油断できない時間になる。

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