chocolate mint
人生ってのは一旦タイミングを逃すと、坂道を転がるように悪いほう、悪いほうへと向かっていくらしい。
運悪くオーナーが不在だったこの日に起きたトラブルは、後々まで尾を引いた。
最悪な予想通りに僕の車に乗って待っていた『彼女』を見るなり、予定を潰された時点でMAXまで不機嫌になっていた紫ちゃんがどんな暴言を吐いたのかとか、それを被害者のはずの僕が何故か必死に止める羽目になってしまった事とか……
そういった細かい所は、ここでは省略させてもらう。
正直、もう思い出したくもないくらいに最悪な一日だった。
『彼女』とは、後日両親にも来てもらって話合い、僕が勘違いしてしまったのも悪かったので、訴えたりなどしない代わりにもう店には来ない事、今後一切僕には関わらないで欲しいという事を納得してもらって、ようやく決着がついた。
彼女はやっぱり僕に好意を持ってくれていた。
だけど、驚いた事に彼女は僕に迷惑をかけていた自覚は殆ど無くて、和希さんには「お前、あのまま放っておいたら間違いなくストーカーになってたぞ」と最初にきちんと対応しておかなかった事をきつく注意されてしまった。