chocolate mint
その大学の時の同級生だって言う菊井ってヤツと付き合って、初めて『好きになってもらう』という新しい恋を知った香織ちゃんは、元々綺麗な人だったけどますます綺麗になっていった。
香織ちゃんは普段感情を表情や口に出すことはしないけど、その目を見たら、何を考えているのかすぐに分かる。
彼女が菊井の話をする時、彼女の目は穏やかな愛情に満ちた優しい目をしていた。
今までの恋とは明らかに違うその様子に、しあわせそうな彼女に、僕は自分の気持ちを伝える事を諦めるしかなかった。
紫ちゃん曰く『ヘタレ』な僕は、香織ちゃんの友達として彼女の側に居続けることを選んだ。
困らせたくないからとか、彼女がしあわせならそれでいい、なんて言い訳を並べながら……