chocolate mint
「しかしさぁ、ほんとアイツ何考えてんのかしらね。香織の事3年も縛り付けておいて。ほんっと鬼畜だわ、菊地のヤツ」
以前に三人で飲んでいた時のように、先に香織ちゃんをアパートまで送った帰り道。
紫ちゃんは、いつもは綺麗なアーチを描いている整った眉を歪ませながら怒り狂っていた。
怒りながらも、上手いこと言ってる自分に満足をしているようだけど……突っ込まずにはいられない。
「あのさ……菊地と鬼畜をかけて『決まった!』って思ってるとこ悪いんだけどさ……あのバカ男の名字は菊井だからね。それに三年も付き合ってな……うっ」
「分かってるわよ、そんな事!バカの名前間違ったって別に大したことじゃないから、言い直す気も無いだけよ!」
……だからって……肘打ちは無いでしょ。
僕と紫ちゃんの身長差は20センチ以上ある。
だから、肘打ちされるとみぞおちどころか下腹の……下手したらその下の、オトコにとって大事な大事な際どい場所に当たりそうになるから、勘弁して欲しい。