chocolate mint
……それに、和希さんも、和希さんだ。
普段の和希さんと有紗さんは、完全に一経営者とマネージャーという立場を貫いている。
店の中では……いや、スタッフルームですらプライベートな会話をしているのを聞いた事が無い。
『プライベートを仕事に持ち込まない』というスタイル通りの行動だ。
なのに、有紗さんの仕事に対する評価だけは、明らかに甘いと思う。
ほんと、何を考えてるのかな……
「ねぇ、裕介」
……うわっ、まずい。
まだ、目の前に有紗さんがいたんだった。
「……あんたさ、辛くないの?」
「……はぁ?」
唐突な質問の意味が分からなくて、思わず間の抜けた声が出た。
「今日、偶然聞いちゃったの。『Milkyway』で。同棲じゃなくて、同居なのよね。『カオリちゃん』とは」
「すぐに触れるくらい近い所にいるのに、手を出せないのってツラいんじゃないのかなって」
……あー、そういう事か。
今日は志帆さんの通院日だったのか。
昔、事故に遭った志帆さんは、事故から10年以上経った今でも定期的に通院をしている。
普段の和希さんと有紗さんは、完全に一経営者とマネージャーという立場を貫いている。
店の中では……いや、スタッフルームですらプライベートな会話をしているのを聞いた事が無い。
『プライベートを仕事に持ち込まない』というスタイル通りの行動だ。
なのに、有紗さんの仕事に対する評価だけは、明らかに甘いと思う。
ほんと、何を考えてるのかな……
「ねぇ、裕介」
……うわっ、まずい。
まだ、目の前に有紗さんがいたんだった。
「……あんたさ、辛くないの?」
「……はぁ?」
唐突な質問の意味が分からなくて、思わず間の抜けた声が出た。
「今日、偶然聞いちゃったの。『Milkyway』で。同棲じゃなくて、同居なのよね。『カオリちゃん』とは」
「すぐに触れるくらい近い所にいるのに、手を出せないのってツラいんじゃないのかなって」
……あー、そういう事か。
今日は志帆さんの通院日だったのか。
昔、事故に遭った志帆さんは、事故から10年以上経った今でも定期的に通院をしている。