chocolate mint
きっと僕と一緒に飲もうと思って、待ちきれずに寝ちゃったんだろうな。
僕(枕)がいなかったから、まだ深酒するまではいってなかったみたいだけど。
たけど、目はトロンとしていて、今にも夢の世界へと戻ってしまいそうだ。
「ねー、のもうよ。ゆうすけくんとのみたくて、まってたんだよ?……ねっ?」
甘えたように上目遣いでこちらを見る視線に、キュッと心臓が音を立てて縮んだような気がした。
……ほんとに、この人は。
どうして、こんなに隙だらけなんだ。
香織ちゃんは、僕がどんな気持ちでこの場にいるのかなんて、全く分かってないんだろうな。
『おいでおいで』と手招きをするその手を掴んで引き寄せて、ニコニコと無邪気に笑っているその唇を、今すぐに塞いでしまいたい。
Tシャツから、ショートパンツから伸びる引き締まった腕を、脚を撫でまわして……
って、ダメだ。危ない。
このまま一緒にいたら、きっと理性を保てなくなる。
それに、香織ちゃんだってこれ以上飲んだら、絶対に明日起き上がれないくらいに頭が痛くなるはずだから。