chocolate mint
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『明日『Milkyway』で15時。崎山が菊井と待ち合わせてる。お前、知ってたか?』
そんなLINEが純くんから届いたのは、昨日の夜だった。
……何それ。
そんなの知らないよ。
……大体、何で純くんが知ってるんだ?
そう思った瞬間、頭の中に自分と同じ目を持つ……口がかなり軽い、悪魔のような女の顔がふわりと浮かんだ。
『知らない。純くんは誰から聞いた?』
どうせ紫ちゃんだろうと思いながらも、一応聞いてみる。
『聞いたんじゃない。LINEのやり取りを、偶然見たんだ』
……いやいや。
どうやったら、やり取りしてる所を偶然見れるんだよ。いくら職場が同じだからって、おかしいだろ。
今日はラストまでの勤務だから、帰ってから香織ちゃんに話を聞く事もできないし、純くんに電話をする暇も無い。
その後、青木さんとの打ち合わせに入り、やっぱり純くんに電話は出来なかったけど、LINEのその内容に、心の中では盛大に突っ込みを返していた。
僕の返信を待っていたのか、打ち合わせ中にもスマホはポケットの中で振動を繰り返していていたけど、返す暇は無く未読のまま放置してしまっていた。