chocolate mint

「やっぱ、二人とも凄いや」

ため息と共に少しだけ本音が飛び出してしまった。


うちのバスケ部は県の中でも強いほうだけど、進学校だから部活に入るだけでも大変で、上に立つ人は余計に苦労しなくちゃいけない。


それを大変な様子も見せずに、さらりとこなしていた二人を凄いと思ったし、羨ましかったんだ。



僕は二人のようにはなれないし、純くんのようにみんなの中に溶け込む事もできないから。



「凄い?……二人とも?」


崎山先輩は僕の愚痴を聞いて、不思議そうに首を傾げた。


綺麗な顔をしてるのに、ちょこんと首を傾けるその可愛らしい仕草に目を奪われる。



「うーん……。裕介くんは奏一くんや純くんとは違うからね。小山くんはみんなをまとめて先に立って引っ張って行ける人で、純くんは……みんなをまとめるのは苦手だけど、チームをプレーで盛り上げてくれるよね。私は二人みたいにはできなかったから、男子の方がチームが纏まってていつも羨ましいなって思ってた。ほら、私ってついつい厳しくしちゃうから」



崎山先輩は、『二人』を奏一くんと純くんだって勘違いしているみたいだった。


「それに、小山くんが裕介くんをキャプテンにしたのも分かるなー」
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