君の勇気を、きっと私は愛し続けてしまうのだろう。【完全版】
「―――おっしゃー!あがり!」

その言葉と同時に机に放り投げられた

2枚のトランプ。

パサパサと山に積み上がったカードを

私は何の感情もなく眺めていた。

「ミサはやっぱり弱いなぁ。」

と笑いながら言った彼。

私は笑えない。


君は何を楽しいと思っているの?


「…ババ抜き2人はつまんないよ。」

と私が言うと

「だって、これしか2人でやることないじゃん。」

と彼は返してきた。

ああ、そう。

「別に私はやらなくて良いんだけど。」

「俺がやりたいの!」

「そうですか。」

「そうですよ!」

そう言うと彼は今度は神経衰弱をやろうよと

私にカードを並べるよう命じた。



自分で用意すれば良いのに。

でも、その言葉は彼には使えない。



「はいはい。用意しますね。」

そう返事してからカードを混ぜ始めた。



その途中に

「…あと、3日か。」

という彼の声が聞こえた。
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