星降る空で抱きしめて【下】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
私は仕方なくひとり帰路を辿る。

自宅最寄りの駅で電車を降り、とぼとぼと歩いていると、先週清瀬くんと話をした公園に差し掛かった。



(あれからまだ1週間しか経ってないんだ…)



あの時やっぱり何があっても清瀬くんとは付き合わない、と決めるべきだったのかな?

そうしたら清瀬くんを傷付けることもなかったのかな?



足元しか見えないほど項垂れて歩く。

夜道が今夜は一層寒々しい。



今頃清瀬くんはどうしているだろう。

そう思うと胸が締め付けられる。



公園の入り口まで辿り着くと、突然眼の前が陰った。



(!)



人通りの少ない夜道で大きな影に包まれて、私はひやりとする。



恐る恐る顔を上げると、



「ちゃんと前見て歩けよ。」



それは清瀬くんだった。



「清瀬くん…」

相手が分かると別の緊張で鼓動が早まる。



そんな私に気付いてか否か、清瀬くんは冗談めかして言う。

「もしかして変質者だと思った?」

「え、と…」

「思ったのかよ。」

「そ、それより清瀬くん、私…」

「話あんだろ?」

「え…」

「塾でなんか聞けねぇだろ?

お前絶対泣くし。」

「!」



そう言うと清瀬くんは公園に入っていった。

清瀬くんがブランコの柵に腰を下ろす。

私はその傍らに立った。
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