嵐の夜は【短編】
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「これ、L寸でいいよね。洗濯物、シャツとかは乾かすからそこの籠の中に入れといて。シャワーはそこひねればお湯が出るから。じゃ」
スライド式の扉を閉めて女の人は出ていった。顔に似合わず強引な人だけど、どこまでもその人は優しかった。
でも、女性としての危機管理能力は欠落してる。一人暮らしの女性は優しさだけで見知らぬ男を家に泊めてはならない。毒気は抜かれたが。
気の毒と顔にありありと書いてあって、彼女は素直な人なんだなと思った。男物のトレーナーは現彼氏のなんだろうか、それとも。修羅場にはならないでほしい。