たった一人の能力者
抹殺
「能力者が居たぞ!!直ちに捕獲しろ!!!」
-はぁ...はぁっ...
1人の若い女性が森の中を息を切らしながらも走る。
その女性の手の中には、まだ小さい赤ん坊がスヤスヤと寝息を立てていた。
「居たぞ!!!弓を放て!!!」
-ひゅっ
息を飲んだ若い女性は、苦い顔を浮かべた。
そして、暫くして意を決っしたのか、赤ん坊を人撫でして木陰に優しく置いた。
「ごめんなさいね。一人にさせて...それでも、生きてね。春ちゃん」
赤ん坊に伝えた若い女性は、追っ手の前に飛び出した。
「は、早く弓を放て!!!化け物め!!」
その言葉と同時に、若い女性の胸に矢が刺さる。
「ごめん...ね」
若い女性の最後の言葉は誰かへの謝罪だった。
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