クールな部長は溺愛同居人!?
もう遅い

自分の知らない所で、物事が進んでいる気がする。

時間だけが流れて
私だけが残され
一生懸命追いつくように走るけど
追いついてる気がしない。

お父さんとお母さんの旅行は、豪華客船で国内グルグル周る旅行。
九州、沖縄、北海道
南から北まで突っ走る豪華客船。

課長とずっと一緒なんて気まずい。

私もどこかへ行こうかな。

大きな空のトランクが2つ
居間続きの洋室に並び
その荷物が少しずつ埋まる頃

まずは課の忘年会。
それは
課長のお見合いの日。

仕事終わりにまっすぐ出かけるらしい。

仕事の延長みたいだね。

忘年会は盛り上がったけど
話題はやっぱり課長の話。

あのドS人格が普通の人格にチェンジされ、まだ私達は慣れずに戸惑っていた。

「以前の課長が懐かしいよ」

「あの、人を見下した態度とか」

「ミスを素早く見つけて突っ込む態度とか」

「その後の満足気な笑い」

「誰もが恐れていた人が……」

先輩達がタメ息の嵐。

「昨日なんて、壁に頭ぶつけてひとり壁ゴンやってたよ」

「我が社のエースが悲し過ぎ」

しんみりしすぎる忘年会。


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