クールな部長は溺愛同居人!?

「『あと一週間欲しい』って?冗談じゃない三日しか待たない」

パソコンのモニターを凝視しながら
器用にスマホで会話をする課長。

「太田」

「はいっ!」

「詰めが甘い。やり直せ90分やる」

スマホを肩に伏せ、モニターをボールペンで叩きながら、私の隣の先輩のに鋭い声を飛ばす。
画面壊れる―!

「90分って時間が足りません」
情けない叫び声が隣から聞こえる。
聞こえないふりのデスクは暗黙の了解。
明日は我が身。
いや毎日我が身。

「足りないなら降りろ……えっ?いやそっちじゃない。そっちが降りたかったら契約切るだけ、もう使わないけどそれでいいの?いいよデザイナーは沢山いるから」

一事が万事この調子。

課長がデスクに居るとみんな緊張。
私も悪い事をしてなくても子供みたいにビクビク。

ここのボスは相楽課長で間違いない。

お義兄さんの弟さんだけど
個人的な話は一切してなかった。

歓迎会の席でお義兄さんの話を一度したけど、ほどんどスルーされてしまった。

でもお義兄さんに同じ課になった話をしたら
なぜか大喜びをされ

『未亜ちゃんと一緒なら安心だ。不器用で誤解されやすい奴だけど頼むね』って言われてしまった。

頼むねって……無理です。

両親にはあまりの衝撃で伝えてない。
お母さんなんて『同じ会社なんだから、探してご飯に連れてらっしゃい』なんて言ってるぐらい。

絶対誘えない。
誘いたくない。

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