クールな部長は溺愛同居人!?
「二次会行くぞー!」
酔いの回った陽気な声が上がり
リリコちゃんは「おーっ!」と手を上げてから
私と真依子ちゃんの手を引っ張って
「リリコセカンド。相楽課長の恩に報いるように、次のステージで頑張ります!」そう宣言して「次に行こうー」って大きな声を出す。潤んだ真依子ちゃんの目を指摘すると「うるさい未亜」って照れ隠し。そんな友達想いで素直に涙を見せる真依子ちゃんが好きだ。自分の気持ちに素直になる……私は素直だったろうか。
どうして私を自分の課に入れたのか
課長の意図はわからない。
ただ単に
私の思い上がりかもしれないけれど……リリコちゃんの話を聞いて心が大きく揺らいだ。
外に出ると雪が降っていた。
明るい街灯の間から空を見上げると
ゆっくり雪が舞い降りて
逆に吸い込まれそうな気分になる。
課長にひどい事を言ってしまった。
謝りたい。
謝ってもう少し話をしたい。
課長の口から直接聞きたい。
ここ最近のモヤモヤした気持ちも
空に吸い取ってもらいたい。
「綺麗だけど寒いねー」
真依子ちゃんとくっついて次の会場へと歩いていたら
「あれ……広報部の相楽課長じゃない?」
前を歩く男性社員が興奮した声を出したので
顔を上げると
前から
相楽課長が女性とツーショットで歩いて来た。
「あ……」
私達を見て
課長は軽く驚き余裕で苦笑い。