クールな部長は溺愛同居人!?
「課長はデートじゃなかったんですか?」
「違う。俺のワイン飲むな」
「だってケーキが詰まる」
「お前飲みすぎじゃない?新堂と飲んできたんだろ」
「課長は鈴木常務のお嬢様と飲んで来なかったんですか?お泊りデートと思ってたのに」
ギスギスしない課長と過ごす普通の時間が、こんなにも懐かしく愛しい。
「あれは契約見合い。お互いに断れなくて見合いしただけ。彼女にはビアノバーでピアノ弾いてる恋人がいる。俺はフェイク」
フェイク?
「だって、私達の前でイチャイチャして腕を組んでたでしょう」
「そうした方が、見合いして上手くいってますって嘘が広まるだろう。まるっきり嘘」
「今日はデートじゃなかったの?」
「仕事だ」
なんだ
お見合いはフェイクだったのか
肩の力がストンと抜ける。
「すんごい美人でしたよ。もったいない」
「でも恋人いるから。その彼氏を紹介してもらって、仲良くなって帰って来た」
「今度行きたい」
「新堂と行け」
「新堂係長は今頃、他の女の子と仲良くしてるかもしれません。誰かさんと違って、優しくて甘くてモテモテの人ですから……うわっ」
やられた
私の鼻にもクリームが飛ぶ。
リベンジされたか。