クールな部長は溺愛同居人!?
「来週から隣の部屋ね」
日曜日の昼下がり
猫のテツオとじゃれあってたら
いきなりお母さんに言われた。
「えっ?」
隣の部屋がどうしたの?
お姉ちゃんの部屋じゃん。
リフォームするの?うちの会社を紹介しようか?
「忠幸君の弟さんが、隣の部屋に入るから」
「はっ?」
忠幸君の弟さんって
お義兄さんの弟さんって?
「いや意味わかんないんだけど」
そう言いながら
なぜか変な汗をかきそうな予感。
私の異変に気付いてか、テツオは膝からジャンプして出窓に逃げた。
「えーっと幸弘君?あんたと同じ会社の子」
子っても29歳ですけど
怖い怖い大人ですけど
「家に住むから」
サラッとリンゴをむきながらお母さんが言い、私はアゼンとしてゴルフ中継を見るお父さんをガン見。
「言ってなかったっけ?忠幸君から連絡が来てさ、弟さんのマンションで火事騒ぎがあって、新しいマンションを探してるんだけど、なかなかいいのがないようで」
火事騒ぎ?
そういえば
あの鬼の課長が半日休んだ事があった。
あの日は平和な午後だった。