クールな部長は溺愛同居人!?
「未亜さんも飲みますか?」
課長にそう言われ
思いっきり驚いた弾みでイスから転げ落ちそうになった。
「何やってんのよ恥ずかしい」
お母さんにペチッと頭を叩かれたけど
それ以上の衝撃で頭がガンガンしてる。
未亜さん?未亜さんって言った?
会社じゃ
すんごく低く冷たい声で『新井』って呼び捨てでしょう。
あんぐりと口を開いて課長を見るけど
課長はしれっとしてビールを向けたまま
「未亜って呼び捨てでいいのよ。この子は飲まないから私がもらうね」
堂々とグラスを差し出すお母さん。
「じゃ……未亜ちゃん」
爽やかに言われてしまい固まる私。
吐きそう。
「何でもいいの。乾杯しましょう。忠幸君の弟さんだから、私達にとっても家族みたいなもの。だから自分の家だと思ってくつろいでね。かんぱーい」
「新井家にようこそ」
盛り上がる両親
そして課長は「ありがとうございます」って笑顔で返事。
笑顔
笑顔怖い。
絶対裏がありそうで怖い。