クールな部長は溺愛同居人!?
真依子ちゃんとお昼を食べながら話を弾ませてると、いきなり「真依子ちゃんと……新井さん……だっけ?」と、ちょっと低いトーンの優しい声が聞こえて、見上げると新堂係長だった。
えっ?ちょっと待って
心の準備が。
「あ、係長。もう終わったんですか?」
「うん。午後イチで営業回るから、鈴木工務店から電話があったら僕に連絡くれる?あっちの社長さん携帯じゃなくて会社に電話入れる人だから」
「はい。わかりました」
どうしようドキドキしてる。
憧れの新堂係長がこんな間近で会話してるなんて。
心臓ドキドキを隠し
真依子ちゃんとの会話を観察。今日はいい日だ。
「相楽課長と一緒だったんですね。課長は今日はお弁当でした?」
「うん初めて見た。きちんとしたお弁当だったよ。タコさんウィンナーが入ってた」
「えっ可愛い」
「レベル高かったよ。タコさんウィンナーと卵焼きとアスパラベーコンとから揚げとポテトサラダとミニトマト。なすをチーズでのせて焼いたのが美味しそうだった」
「あれ?そのメニューがデジャブ……どこかで見たような……」
「誰が作ってるのか聞いたけど、口を割らなかったな」
新井洋子です!洋子がうちのキッチンで作りました!
ふたつ同じ物を作りました!
お弁当箱は違っても配置と中身は同じです。
悩む真依子ちゃんを「真依子ちゃん。そろそろ行こうか」って私が言うと「まだ時間あるよ。ゆっくりしてなさい」と、新堂係長は私の頭をポンポンって叩き笑顔を見せて行ってしまった。
ポンポンされちゃった
新堂係長にポンポン。
顔を真っ赤にさせる私の背後で、鋭い目をして課長は魔王オーラ全開になっていたらしい。
新堂係長……素敵だなぁ。
癒されたいんだね私。