クールな部長は溺愛同居人!?
「違います違います。物件を探そうと思って、課長の希望を……」
「幸弘さん」
「……幸弘さんの希望を聞こうと思いまして」
めんどうだなぁ
もう家でも課長でいいでしょう。
それでも笑顔を引きつらせ
私はタブレットを画面を指でなぞると、上から課長も覗き込む。
「韓流スターが好きなのか?」
「いやこれお母さんのゲーム用。あ、これですこれ。この物件いいと思いませんか?駅も近いし広いしコンビニも近い」
「マンション?」
「そうです!」
力を入れて顔を上げたら
ゴツンと課長のアゴに私の頭がヒット。
痛いー!
顔が近すぎるんだって。
「未亜の石頭」
「課長が近すぎるんです」
頭とアゴをさすりながら、お互いを攻め合う2人。
昨夜と同じく
しっかりくつろいだ部屋着に無造作ヘア。
昼間の課長と別の顔にまだ慣れない私。
「いい物件がけっこうあるんですよ」
「ふーん」
課長は私からタブレットを奪い、しばらく無言で指を動かす。
いい物件あったかな?
早く見つけたら早く出て行く。
よしよしと、私も課長の横に移動してタブレットを見ると
課長は、カラフルなブロックを重ねて崩して遊んでいた。
遊んでんのかいっ!